工藤 敏文先生からのメッセージ

総合外科学分野 血管外科
平成5年 東京医科歯科大学卒

工藤 敏文

小生は1993年に本学を卒業し、旧第一外科(遠藤光夫教授)に入局。その後、消化器一般外科、血管外科の臨床修練を積んで参りました。学位研究は曲がりなりにも行ったものの、大学での活動の3本目の柱である教育については、正面から向き合うこともなく過ごして参りました。

しかしながら卒後22年目となる2014年 4 月より総合教育研修センターの職を拝命し、学生教育、初期研修医の研修、さらには研修指導医の講習などに密に接し、担当する機会をいただきました。さらには同年秋、高田教授(医歯学融合教育支援センター)、田邉教授(肝胆膵外科学)、三宅教授(臨床腫瘍学)とともに米国ハーバード医学校での医学教育研修に参加し、米国の医学教育の現場ならびに考え方を勉強する機会もいただきました。

その後、学生教育については、新たな縦断的学習機会を創造する試みとしてハウスプログラムの立ち上げ、消化器一般外科・呼吸器外科共通クリニカルクラークシップの構築に関わらせていただきました。初期臨床研修については、マッチングの面接から2年間の研修修了時まで、研修医が成長する姿を間近で見ることができたと同時に、研修プログラム全体の問題点の抽出あるいは、改良・改善という大きな仕事にも携わらせていただきました。指導医講習会では、僭越にもコーチングに関する講義を担当させていただき、あらためて自分自身の指導方法や心構えなどと向き合う機会をいただくことができました。

理事田中雄二郎先生がおっしゃる”Teaching is learning.”のお言葉通り、総合教育研修センターでの3年間は、医学部卒業以来得たことのない発見・経験の連続でした。このような得がたい貴重な機会を与えてくださった、田中雄二郎先生に心より感謝しております。

現在、外科および心臓血管外科領域での専門医試験にも関わらせていただいておりますが、漠然としたものであった医師としての生涯教育・生涯学習が、医学部学生から専門医までの一連の成長の過程を含め、より具体的なイメージとして輪郭が捉えられるようになったと思います。

微力ではございますが、本学において医学部学生教育、初期臨床研修、さらには専門医の成長のお役に立てればと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。