山口 久美子先生からのメッセージ

統合教育機構

山口 久美子

田中先生に学んだ言葉 「学生にとって幸せか」

田中先生、ご退任おめでとうございます。2010年4月医歯学融合教育支援センターが立ち上がった際に、お誘いいただいた御縁で、今まで多くのことを学ばせていただきました。解剖学という基礎医学のひとつの分野に在籍しているだけでは得られなかった、入学から卒業・卒後までの医学教育に携わる機会をいただき、とても感謝しております。ありがとうございました。

カリキュラムを作成する過程を近くでみさせていただきながら今でも強く印象に残っている点が3つあります。

1つは「未来へのアンテナ」です。医歯学融合教育、医学導入など様々な科目を作り上げる際に、将来この授業を受ける学生が卒業した世の中で活躍できるよう、たえず新しいものを入れていく田中先生の「未来へのアンテナ」の広がりに感銘を受けました。

2つは「学生にとって幸せか」という視点です。カリキュラムを組み立てていくなかで、どちらが良いか迷ったとき、田中先生は独り言のように「これは学生にとって幸せか」というひとことを口になさって、私たちに考えるきっかけを下さいました。先生の影響を受けて私は、何か決めるときに当事者である学生が幸せか、を、一度立ち止まって考えることは今でも欠かさず続けています。

3つは「仲間づくり」です。カリキュラム作成・運営には、多様な人材・視点が必要であり、複数の領域の教員が力を合わせることの必要性を教えていただきました。カリキュラム2011運営専門委員会では、毎週火曜日の朝7時30分に会議が始まる、というプレッシャーに負けそうにはなりましたが、仲間の大切さを実感することができました。

また、学生と接するうえで感動したことがひとつあります。多忙な時期に学生からの面会の希望があり、ためらいながらお伝えしたところ、時間を作ると即答されました。学生からの面会希望には必ず応える、というのは、師匠の武内重五郎先生から学んだ姿勢は、私もぜひ真似していきたいと思っています。そして、「学生にとって幸せか」を考えながら仕事を続けたいと思います。

貴重な経験をさせていただき、どうもありがとうございました。
これからもますますお元気にご活躍ください。

融合教育納涼会
Happy Birthday