星野 ちさと先生からのメッセージ

星野 ちさと (旧姓 髙田)

現在の所属 東京医科歯科大学医学部附属病院・リハビリテーション科
専門 整形外科・リハビリテーション科
卒業年次 医53・H17年・2005年

田中雄二郎先生、この度は、ご退任おめでとうございます。

先生のご退任にあたり、教え子の一人として、先生に感謝のメッセージをお送りする機会を頂けましたこと、とても有り難く存じます。どうもありがとうございます。

私たちの学年(平成17年卒業)は、初期研修導入から2年目の学年にあたります。どのように進路選択をすればよいのか全くわからない状況の中、制度やその見通しについて、私たち学生に、ユーモアも交えながらわかりやすくご説明くださったのが田中先生でした。小グループでのディスカッション形式の授業もご担当下さっていたからか、私たち一人一人のことをよくご理解下さり、学内ですれ違えば「髙田さん!」と名前で声を掛けて下さる先生は、私の中では中学や高校の学級担任のような親しみを感じる存在でいらっしゃいました。

そんな先生のご指導もあり、卒業後は本学の初期研修プログラムに進みました。初期研修開始から2ヶ月目、緊張や過労があったのだと思いますが、1-2週間ほど研修をお休みしなければならない状態となりました。その時、親身に話を聴いてくださったのも田中先生でした。今でも、あの時、先生がいらっしゃらなければ、どうなっていたのかなと思うことがあります。本当に感謝しております。

初期研修後は、本学・整形外科に入局し、卒後6年目で大学に戻りました。久し振りに先生とすれ違いそうになった際、「私のことなどもう覚えていらっしゃらないだろう」との思いから会釈に留めようとしたところ、「髙田さん、元気?」と先生の方からお声を掛けて下さいました。驚くとともに、とても嬉しく懐かしい気持ちになり、それまであまり「母校」という言葉を意識したことはありませんでしたが、「あぁ、母校に帰ってきた。」と感じました。

卒後6年目で大学に戻って以降、あっという間に時が過ぎ、気が付けば、大学病院所属が研修医時代も含めますとトータル9年となりました。結婚や出産、大学院、サブスペシャルティーの変更(股関節→リハビリテーション)などの理由もありますが、「母校だからなんとなく」というのも一つの理由かと思っています。現在、主に携わるリハビリテーション治療は、院内でも、年々需要が高まっていますが、如何せんリハビリテーション専門医は全国的にも非常に不足しています。整形外科出身のリハビリテーション科医で、内部障害や脳血管障害には頼りない面もまだまだありますが、いつかお世話になった母校に恩返しができるようなリハビリテーション科医になりたいと思い、日々診療・教育に当たっています。

さて、今回、先生へのメッセージ募集のお話を同級生に広めるというご依頼も頂きましたが、私たちの学年にはメーリングリストがないため、多くの同級生に伝えることができるかと、お引き受けしたものの当初はとても心配でした。そんな心配も含めて同級生に連絡・相談を始めてみますと、「じゃあ、僕は誰々に」、「私は誰々に」と、寄稿だけでなく、連絡係も買って出てくれ、結果的には多くの同級生に輪が広がり、同級生の繋がりの力やその有り難さを実感致しました。また、ドキドキしながら長年連絡していなかった同級生に連絡をしてみますと、昔と変わらぬ懐かしい調子での返信があり、改めて「同級生っていいな。」と感じました。そして、ご退任前に、同級生の繋がりの大切さを再確認する機会をお与えくださった先生は、やはり教育者でいらっしゃるのだなと敬服いたしました。

末筆ではございますが、これまでのご指導への感謝を申し上げますとともに、先生の益々のご健勝・ご多幸を心よりお祈り申し上げます。