岩本太郎先生からのメッセージ

岩本 太郎

現在の所属 東大病院 呼吸器内科
専門 呼吸器内科
卒業年次 医59・H23年・2011年

雄二郎先生長い間お疲れさまでした。長らくご無沙汰し、申し訳ありません。目立たない学生でしたが、自分なりの感謝の気持ちを伝えたく、お書きしました。

再受験で年を食っている割に不出来で留年をしたり、単位を落としまくったりした(20個ぐらいでしょうか、今だったら留年していたと思いますが…)不真面目な学生も細かく気に掛けて頂き、ありがとうございました。留年問題などなどの際には、先生は必ず学生の味方になってくださり、救済をお願いしてくれていたというお話をお聞きしております。出来の悪い学生から見て、先生は本当に神のような存在でした。

血液内科の実習の時、白血病で入院していた上の学年の学生の方が不幸にも亡くなってしまうことがありました。先生はいち早く、憔悴した表情で病室にいらっしゃったことを良く覚えております。

初期研修の開始の時、外の病院に出たにも関わらず、研修先と揉めかけて連絡した時、すぐに返信を頂きありがとうございました。本当に困ったら先生が助けてくれると思い、何とか無事にやり過ごせました。3.11の震災の後に、不安を抱えて研修先に行き、布団も届かなくて固い床で寝ていた自分に、先生の返信の何と心強かったことか。

先生はいつも学生のことを考え、味方でいてくれたと思います。その奥で何を考えていらしたか自分には分かりませんが、学生を責任と相当の覚悟を持って担当していらして、それがどんなに大変だったかは分かります。先生が我々の卒業式で、「皆、幸せになるんだよ」という言葉をおっしゃっておりました。正に先生を象徴する言葉だったと僕は思っています。先生には遠く及びませんが、自分も患者さんとの人間関係、担当する際の責任の持ち方を、なるべく先生が我々に接して頂いたようにあればと思います。

先生のいらっしゃるうちに母校に恩返しを、と思っておりましたが今のところ難しそうですので、せめてご存命のうちにはなにかしら恩返しを、と思って精進しております。
鈴木章夫先生のような先生はもう現れないのと同じように、先生のような先生ももう現れないかと思います。

今後益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
ありがとうございました。