森 崇寧先生からのメッセージ

森 崇寧

現在の所属 東京医科歯科大学腎臓内科
専門 東京医科歯科大学医学部附属病院 血液浄化療法部助教
卒業年次 医53・H17年・2005年

早15年前の話になりますが、今思い返せば当時あまり真面目とは言えなかった私が出席した数少ない臨床講義の中で、不思議なことに田中雄二郎先生の授業はよく記憶しています。当時私は医学科6年生、総合診療部の教授であられた田中先生がちょうど医学科教育委員会の委員長になられた時期だったと思います。その授業で特に印象深かったのが「ヘパロック」のお話でした。

「君たちはまだ馴染みが無いと思うけど、ヘパロックという手技があって、今までこれは全部医師の仕事だったのね。でもこれを看護師が実施できるようにしました。本来医師がやるべきことを優先してやってもらえるように」と田中先生はお話しされていました。

厳格で改革が容易でない大学病院のイメージを持っていた私には少々衝撃的なお話で、この先生が教育改革の舵取りをされるなら、きっと医科歯科の研修は良い方向に向かうに違いない、と学生ながらにインパクトを受けた記憶があります。その後、医科歯科大学が人気研修病院の名をほしいままにしたのは皆の知るところです。

今は自身が学生や研修医を指導する立場となり、その難しさに日々苦悩するとともに、田中先生の御功績、牽引力、そして何よりそのお人柄に頭が下がる思いでおります。これまで医科歯科大学の教育研修へのご配慮にとどまらず様々な場面で数々のご活躍をされてきた先生には、この場をお借りして深く感謝と敬意を表します。

先生の益々のご活躍を祈念致しております。