佐々木 宏治先生からのメッセージ

佐々木 宏治

現在の所属 Assistant Professor, tenure-track
Leader, Section of Chronic Myeloid Leukemia
Department of Leukemia
The University of Texas MD Anderson Cancer Center
卒業年次 医54・H18年・2006年

田中雄二郎先生、御退任心からお祝い申し上げます。ご在職中はご厚情に深く感謝申し上げますとともに、今後益々のご活躍とご家族皆様のご健勝を祈念申し上げます。私が学部生時代、そして本学における初期臨床研修医時代、そして血液内科に入局後に病棟医として本学に働いていた当時、田中先生が大学の発展に多方面に貢献をされたことは当然ながら、さらに教育制度や業務体制の見直しを通じて田中先生より数えきれない恩恵に授かっていたと感じております。現在、働き方改革という言葉がありますが、田中先生の活動は時代を10年以上先取りした先見の明、まさに慧眼であったと思われます。初期臨床研修プログラム黎明期に田中先生の深謀遠慮によって本学は全国随一となる大学初期臨床研修プログラムの礎を築き、結果として本学を支える極めて優秀な人材を全国から幅広く募り、現在の本学の繁栄を支えています。関東大震災の復興に尽力された大政治家後藤新平は「財を遺すは下、事業を遺すは中 、人を遺すは上なり」との言葉を遺しましたが、田中先生の功績はまさしくこの言葉を御体現されていると感じます。

田中先生との忘れ難い思い出は学生時代に挫折を経験した際に田中先生より頂いた檄がその後の心の支えとなり、現在の私のキャリアに繋がっております。自身の志、まだ道半ばにして田中先生の御在職中に直接ご報告できないのは、痛恨の極みであり、私の不徳の致すところでございます。永きにわたる御功労に心より感謝を申し上げますと共に、新たな出発がご在職時以上に充実された日々、そしてご家族と共に数えきれないご多幸が訪れることをお祈り申し上げます。