田中雄二郎先生が定年を迎えられご退任されるというお知らせと共に、記念誌にメッセージを寄せる機会を頂き、僭越ながら執筆することとなりました。大学の脳神経外科に勤務するなかで学内の研究棟からER初療室などあちこちで以前と全くお変わりない⽥中先⽣のお姿を拝見しておりましたので、ご退任を聞き月日の流れに驚くばかりです。
大学⽣活が⽐較的⻑い私は早くから⽥中先⽣に大変にお世話になりました。学⼠編⼊学の⾯接試験で採⽤していただいた事から始まり、在学中は２度の海外短期留学に選抜していただき、医⼯学分野から臨床に⾶び込んだ私を支えてくださいました。卒後は臨床現場でご指導いただくご縁もあり、私事ながら結婚式にご臨席いただきお言葉を賜りましたことは⼀⽣の記念です。先だっては、学生時代のボストンでの臨床実習で得たつながりから掴んだ再度の留学を前に、直々に面談ということで昼食にご招待いただき、準備すべきことや心構えなど様々なアドバイスを頂戴しました。
これら田中先生にいただいた御恩の数々は枚挙に暇がなく、限られた紙面では列挙するに留まってしまいます。学生時代は留学のレポートや後輩への指導でお返しをしてきたつもりですが、今後は田中先生からの指導をもとに、大学人としてどうあるべきか何ができるかを考え、臨床と研究に励むことでお返しができればと考えております。末筆ながら、田中雄二郎先生の定年ご退任を心よりお祝いし、今後のご健康と更なるご活躍をお祈りいたします。