田中雄二郎先生、ご退任おめでとうございます。医学部教育の牽引役であった先生からは、学生時代に本当に多くのことを学びました。ようやく卒業して医師になったと思っておりましたが、それからあっという間に月日が流れ、今度は自分が医学部の学生に講義をする立場となりました。そうなって初めて、大学病院の医師として診療・教育・研究の3本柱を実践することの大変さを知り、自分がこれまで受けてきた教育に改めて感謝をしております。

田中雄二郎先生の講義の中で、「長年医者をやっているとその空気が染み付いてくるもので、タクシーに乗った時などは、何も言わなくても運転手さんに『先生お医者さんでしょ？』と聞かれる。医者というのはそういうものだ。」と話されていたことを、今でも覚えております。ピシッと決まった白衣に身を包み、足早に歩く田中雄二郎先生の姿は、学生の頃に描いていた医者のイメージそのものでした。自分もいつかはそのようになる日がくるかと思っておりましたが、卒後15年経った今でもタクシーの運転手さんに医師と見破られることはなく、まだまだ修行が足りないと身が引き締まる思いでおります。ご退任後も、ご指導を賜われる機会があれば大変嬉しく思います。今後とも何卒よろしくお願いいたします。本当におつかれさまでした。そしてありがとうございました。