歌川 蔵人先生からのメッセージ

歌川 蔵人

現在の所属 東京医科歯科大学大学院 整形外科学
専門 整形外科
卒業年次 医60・H24年・2012年

学生時代、研修医時代だけでなく、整形外科として大学で勤務していた際にも大変お世話になりました。

それぞれの時代で雄二郎先生(皆そのように呼ばせていただいていたので、あえてこのように書かせていただこうと思います)とは思い出深いエピソードがありました。

学生時代、研修医時代に雄二郎先生のお話を聞く機会は沢山ありましたが、一番よく覚えているのは研修医時代に「自分が医師になるにあたってどのような時期にいるのか」というお話をよくされていたことです。医師という職業自体が専門職でありながら、現在ではさらに専門性が高く科ごとに細分化されており、研修医になってから自分が何科の医師になりたいのか悩む日々でした。そんな中、初期に興味や選択肢をまずは増やし、その中から本当にやりたいことを見つけていく「拡散→収束」というお話は、自分の中ではとても分かりやすく、自分がどの時期にいるのかを都度確認させてくれるものでした。今振り返ると、医師という特殊な職業を教育するというのは、やはり特殊でとても大変なことなのだなと思います。

また、学生時代に雄二郎先生が学生生活の細かな部分にも目を配らせていただいていたことも記憶に残っています。お忙しい中、臨床実習の際に与えられる実習室にも時々お話をしに来ていただいたり、東日本大震災(当時5年生)の際にも、帰宅ができなくなった学生に夜中にも関わらず会いに来てくださっていたりしたことをいまだに覚えています。

一方で、このように多くの学生・研修医を見られているにも関わらず、一人ひとりをよく覚えていらっしゃることにも、とても驚かされました。数年ぶりに大学勤務になった際にもエレベータや病棟でお会いした際に、気軽にお声をかけていただき、本当に驚いたと同時にとてもうれしかったことを覚えています。

医科歯科の教育・卒後臨床研修プログラムの充実や母校で働くことの安心感に教育人としての雄二郎先生の存在は欠かせないものであったのだなと強く感じます。

長きにわたり、本当にありがとうございました。